@article{oai:nagano.repo.nii.ac.jp:00000887, author = {井原, 成男}, issue = {2}, journal = {長野大学紀要, ACADEMIC BULLETIN OF NACANO UNIVERSITY}, month = {Nov}, note = {application/pdf, この研究の目的は筆者の考案した交換ロールシャッハ法(ERM)の方法を紹介することである。手続きは以下のごとくである。I)ロールシャッハ・テストを子どもに実施する。II)ロールシャッハ・テストを母親に実施する。III)日を変えて母親に子どものロ・反応を推測し,それを検査者にいうように求める。III)はさらに3つの下位段階に分けられる。i)各カードに子どもが何をみたか推測してもらう。例,「お子さんはこのカードに何をみたと思いますか?」ii)ヒントを与えて子どもの反応を説明してもらう。例,「お子さんはこのカードにカニを見ました。それはどこで,どんな風にみたのでしょう。説明して下さい。」iii)検査者は子どもがカニをどこに見てどんな風に見たか詳しく説明し,母親もそう見えるかどうかきく。例,「カニはこれです。これが足,目……赤いカニです。そう見えますか?」このプロセスで検査者が測っているのは以下のことである。i)母と子の反応の類似性。ii)子どもの反応パターンを母親が判断できるかどうか?iii)子どもの反応に母親が共感し受容できるかどうか?筆者はこの方法を4つのケースに適用した。ケース1は思春期やせ症。ケース2は夜尿症。ケース3は心因性頭痛。ケース4は正常児である。ケース1から4に進むにつれて母子間のコミュニケーション能力はよくなる。交換ロールシャッハ法(ERM)を4症例に使った。その結果,コミュニケーション能力と,母親が子どもの反応を理解し(下位段階ii),共感・受容する(下位段階iii)能力は比例することが分かった。段階iの推測能力についてはこのことは証明されなかった。交換ロールシャッハ法(ERM)のもつ治療的な側面として母親に対して,子どもの内面世界のイメージの具体的な資料を呈示するということがあげられる。最後の章で,交換ロールシャッハ法のその他の長所について検討した。さらに我々は子どもの自己表現能力と母親の読みとり(推測,判断,共感・受容)能力との関係について論じ,ERMの理論的側面について言及した。}, pages = {43--58}, title = {交換ロールシャッハ法再考 : ロールシャッハ・テストによる母子関係分析の試み(II)}, volume = {7}, year = {1985} }